--------------------
編集後記
臺 弘
pp.779
発行日 1972年6月1日
Published Date 1972/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203147
- 有料閲覧
- 文献概要
脳と神経にかかわりをもつ臨床医は,毎日の診療や研究の間にも,奥行きの深い洞察とひろがりのある視野を持ちたいものである。メスをとる者も薬を与える者も,脳に手を加える時は,自分達の守備範囲を超えた領域について関心をもたないと,仕事ののびは止まり,間違いを起すことがあろう。脳はまことにそのような相手であるらしい。
近頃は,生物科学(life science),情報科学,行動科学というような学問が,既存の科学の仕切りを超えて新しい視点を展開している。これらの学問は直接に臨床と関係がないように見えるが,もし機能的脳外科や精神神経薬の開発などをこころざす時には,必らず新しい視点を考慮する必要が起つてくる。
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.