書評
Handbook of Clinical Neurology —Vol.6; Diseases of the Basal Ganglia
里吉 営二郎
1
1東邦大学
pp.98
発行日 1972年1月1日
Published Date 1972/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203050
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臨床神経学のなかで症候学的に最も面白い疾患は不随意運動を示す錐体外路系の疾患である。臨床神経学全書の第6巻はこれらのものを"基底核を侵す諸疾患"としてまとめてある。
序論はその機構の研究第一人者Mettlerが解剖について最近の知識を含め詳細にのべている。ついで,病理研究の発展の歴史にも触れている。基底核の生理はWardが簡明にまとめているが,生化学の章は有名なCumingsがWilson病を中心に記載している。最近Parkinson病とL-DOPAまたはtyrosine代謝異常が問題とされているが,原稿が少しく古くかかれた為か余り詳しく触れていないのが残念である。この分野は進歩が早いので年々の専門雑誌を参考する他はないであろう。
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