書評
「リハビリテーション処方学」―東京都養育院付属病院リハビリテーション部長 荻島秀男著
松村 秩
1
1リハビリテーション学院理学療法学部
pp.309
発行日 1972年8月9日
Published Date 1972/8/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104258
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リハビリテーションがわが国の風土のなかに定着して日は浅い.リハビリテーションという名のつくセンター,病院はあちこちに建てられて充実してきているようだが,実際はどうか,リハビリテーションを推進してゆくものはセンターという名のつくものではなくそこに働くリハビリテーション職員である.そこにはまず処方をきちんと書ける医師がおり,そして理学療法,作業療法を処方どおり遂行できるPT・OTがいることが最低限必要である.
本書はリハビリテーションを処方する医師を対象として最低これだけは知っておかないと処方が書けないもののうち,理学療法に重点をおいて書かれたものである.そういう意味ですぐれた啓蒙的な役割を果たす書である.本論は大きく分けて3部よりなり,総論においてリハビリテーション職員によって構成されるPT,OT,ST,心理,MSWの各部門の概略的な説明がなされている.ついで各論Aにおいて理学療法のうち主として物理療法について述べ,各論Bでは疾患別による処方が述べられている.
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