大腿動脈カテーテルによる小児の脳血管造影法

CEREBRAL ANGIOGRAPHY IN CHILDREN BY TRANSFEMORAL CATHETER TECHNIQUE

はじめに

　脳血管造影法は小児神経疾患の重要な診断法の一つである。脳血管造影法の数多くの方法のうちでもより安全に，より良好な脳血管造影像を得るために，種々の手技による脳血管造影法が試みられているが^{1）3）7）9）10）11）12）13）14）}，いずれの脳血管造影法にも多少の問題があり，ルチーンの小児脳血管造影法というものは確立されてないように思われる。

　著者らは過去3年間に経皮的大腿動脈カテーテルによる選択的内，外頸動脈および椎骨動脈造影法を行なってきた。この方法は比較的容易にかつ安全に実施でき，しかも常に良好な造影を行なうことができる。また，一側の大腿動脈に挿入したカテーテルによって，両側内，外頸動脈および椎骨動脈を任意に選択的に造影することができる。

The technique of transfemoral catheter cerebral angiography has been described in detail on the basis of 67 examinations performed on 62 patients of pediatric age group. Relative ease and safety of this procedure has been empha-sized as well as numerous advantages over alternative method.