海外だより
スイス脳神経外科近況
千ケ崎 裕夫
1
1東大脳神経外科
pp.114-117
発行日 1970年1月1日
Published Date 1970/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202667
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スイス第1の都市のZürich (といつても,人口50万たらず)はやはりスイスのなかでは,いちばん都会らしい都会といえましよう。
Zürich-Seeの両岸に沿つて繁華街があり,そのなかをLimat河が貫き,河岸には,市庁舎,Wasserkirche, Grossmünster,Fraumünster,昔,商業都市として栄えたころのZürich商人の家々が建ちならび,河口にかかったQuai-Brtückeからの眺めがいちばん美しいとされています。Kantonsspital Zürich (Zürich州病院)つまりZürich Universitäts-Klinikは北側の山沿いに斜面を利用して巧みに建てられ,ほぼ15年前に現在の建物が完成したそうですが,眼下にZürich-Seeをみおろし,はるかかなたに4000メートル級のアルプス連峰がそびえ,色彩豊かな庭園と美しいタイルばりの建物とが調和して非常にみごとな病院です。先日も一雨夕だちが降つて,晴れあがつた湖上に大きな虹がかかつたとき,さすがスイスの景色にみなれていた私もすつかりその美しさにみとれてしまいました。病院は7階から11階建の建物がいくつか組み合わさつて岡の斜面に建てられているため,地階,1階,2階,7階とどこからでも出入りができ,初めての訪問者は2〜3度迷子にならないと目的の場所にたどりつけないようです。
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