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一般演題【127】〜【132】
【127】頭部外傷急性期におけるcentral syndrome;rostral-caudal deteriorationについて
国立大阪病院脳神経外科
笹部 哲哉・岩田 吉一・中谷 進太田 雅也・種子田 護・林 幸平田原 一郎
天幕上急性損傷のbroken compensationは一,二の例外を除いてuncat syndromeまたはcentral syndro—meのいずれかを示す。前者のprompt surgicai inter—ventionの必然性は明白なところであるが,後者はそのtimelyな遂行が失われる危険性を少しとはしない。他の医療施設などを経て患者が搬入せられた時に,stupo—rousかcomatoseであればprimary brainstem dys—functionか,あるいは二次的のものかの区別に困難を感ずることがあるからである。centrat syndromeについては,Plum, Posner&McNealeyらの詳細な記述がある。瞳孔左右不同を示すことなく,stuporous or coma—toseにある患者には,呼吸,瞳孔の大きさ,光線反射,ciliospinal reflex, doll's head eye phenomenon, caloric responseおよびmotor sigllsからearlyおよびlate diencePhalic stage, midbrain-upper pontille stage, lower pons-upper medullary stageおよびmedullary stageに分けられる。過去1カ年間にわれわれが経験した,かかる9例(primary brainstem dysfunction, upwa—rd herniation, uncal herniationおよび来院時, medul—lary stageにあつたものは除外),すなわちdiencephalic stageの2例,midbrain-upper pontine stageの4例,lower pons-upper medullaryの3例について概要を述べた。midbrain level以下の症例ば予後不良を示した。要は頭部外傷患者がstuporous or comatose on arrivalかまたはdeteriorating consciousnessを生じた時には,focal signの有無に関係なくただちに,脳血管撮影術を施行して,血腫の存在には時期を失うことなく外科的に除去し,術後はhyperventilation, ventricular retained drainage, steroids, hypertonic solutions, hypothermiaおよび脳細胞代謝賦活剤などを適宜使用して,強力な治療を施すべきであると考える。今後,かかる症例を数多く得て,検討を将来に委ねたいと思う。
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