特集 第14回社会医学研究会(主題・地方自治体と保健衛生)
総括討論
住民の側からの保健衛生を,他
西 三郎
1
1国立公衆衛生院
pp.843-845
発行日 1973年12月15日
Published Date 1973/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204775
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主題「地方自治体と保健衛生」の6つの柱は,集まった演題より構成したもので,住宅問題など,多くの重要な課題が残されていよう.しかし,この総括において,地方自治体における限界の問題,社会全体における背景にある基本的な問題を深め,また多くの自治体にみられるような,いろいろな悪い現象をいかにくいとめるかの検討を意図した.今自治体が住民とともに悩み,苦しむなかで,その政策を遂行しようとするようなことが求められているのではなかろうか.しかしながら,逆に自治体が,この社医研の発表を含め,研究成果などの発表に対し圧力を加えるような反動的な自治体が存在していることも事実である.総括討論に入る前にまず,某保健所職員にみられた事例の紹介をした.その職員より,最近合成洗剤に対するマスコミの取扱いが,発表前に取扱者に圧力を加えることにより,以前ほど大きく取扱われなくなった現在,ABSの調査に対し,保健所長会等より,調査に好意がもたれず,干渉がみられた.また,尿中ABS測定値の結果が,新聞にスクープされるや,公務員の秘密を守る義務に違反するとして,市議会で問題にされたこともあった.その他NHK放映に際しても圧力が加えられたことが報告された.
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