神経組織化学アトラス6〈正常編6〉
視床下部・下垂体系の神経分泌物質について—われわれのコロイド鉄法によるSS・SH基陽性反応の検討
前田 隆英
1
,
伊原 信夫
1
1関西医科大学病理学教室第1講座
pp.874-879
発行日 1968年9月1日
Published Date 1968/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202430
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ある種の神経細胞が分泌活動(Neurosecretion)を営むのではないかとの見解は相当古くより持たれていたが(Speide1, Scharrer), BargmannらのChromalaunhamatoxylin-Phloxin (Gomori, CHP)を用いての研究以来,視床下部の視索上核および室労核を構成する神経細胞(Neurosecretory cells)——神経分泌路(Neurosecretory pathway)——下垂体漏斗部,後葉に至る一連の神経分泌系(Neurosecretory system)の存在が確立された。
その神経細胞内で産生された分泌物(Neurosecretory substanceまたはmaterial)は軸索内を原形質流動によつて貯蔵器をなす神経終末,すなわち漏斗の第1次血管網や後葉の血管周囲へと運ばれることが明らかにされている。
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