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本症(OCR)の確実な報告57例を展望した。周知の特異の顔貌,megalocornea, buphothalmos,白内障(100%),緑内障(60%)。 1歳以後クル病。四肢hypermobileなるもトーヌス低下し弛緩,深部腱反射つねに欠乏。検査所見はくわしく記載されているが,母系から伝わるX染色体リンクの遺伝疾患で男児にのみ現われ,系統的な代謝性アシドージス,アミノ酸尿,腎のアンモニァ産生障害,水素イオン排出障害など腎機能異常がくわしくうかがわれる。これはKrebsサイクルの機能障害にむすびつけられるであろうかとして結論は保留されている。病理学的には生後3カ月内の早い時期には腎病変なし。それ以後の幼児期にはび慢性尿細管変化,拡張,castなど。5〜6歳ごろでは病巣状に腎すべての実質に破壊がみられる。EEG所見は一定していない。幼時には変化すくなく,5〜6歳になると多種のdysrhythmia,あるいはテンカン様所見がみられる。57例のうち精薄54例,精薄(?)3例。中枢神経系は報告により,かなり相異がある。ほとんど変化なしというものから,つよい,病変までまちまち。Terslev Acta pediat.(49: 635,1960)は脳炎に一致する像,神経節細胞萎縮,中脳のporencephaly,また他の例には高度水頭症がみられ,Ri—chards (Am, J. Dis. Child. 109: 185,1965)は大脳萎縮,小脳低形成がみられる。Habib (Arch. franc. pediat.19:945,1962)は退行性の脱髄像(フェニルケトン尿症に似る)を大小脳白質に対称的に認める。つまり代謝性の中毒所見と解される。治療でも,中脳神経症状は軽快しない。
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