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I.はじめに
ChlorpromazineがWintermin,Contominの名前でわが国において発売されて,すでに10年が過ぎた。この間にこれらの向精神薬は精神疾患の治療薬としてその地位を確固たるものとしてきた。そのなかでもBalance,Contolなどのchlordiazepoxideに代表される精神安定薬は,周知のごとく精神科領域のみならず他科の領域でも現在ひろく用いられている。
一方,てんかん治療の根本原則はもちろん痙攣発作のControlであるが,同時にいわゆるてんかん性格とよばれる反社会的精神症状と,脳の器質的変化に由来する行動不安に対するcontrolもまた治療上無視できない問題をもつている。一般にてんかん性格とよばれるものは,「融通性に乏しい」,「執拗」,「粘着性」,「爆発性」の4つをおもな問題性格とし,その他,「自己中心性」などの性格傾向もあげられている。筆者らは小児のてんかん患者のなかにこの完成されたものがあるとは考えていないが,これに近いものがあることも否定しえない。これらの問題性格あるいは行動不安に対してはchlordiazepo—xideなどの精神安定薬が現在のところ広く使用されているといえよう。しかしながらchlordiazepoxideやLevo—mepromazine5)などの少数の薬剤をのぞいてはこれらの向精神薬はときに痙攣発作を誘発させる作用がみられる。したがって,その使用にあたつては慎重な配慮がなされねばならなく,広くいかなる薬剤でも可というわけにはいかない。
In a statistically controlled double-blind trial of Neuleptil in 60 child-epileptics with various behavior disorders for 12 weeks, Neuleptil - treated -children showed significant improvement over control (inert-placebo) subjects in physicians' gloval rating. The difference between the two groups was significant by ridit analysis. (Bross, 1958) The most favourable results were obtained in agitation, explosiveness, anxi-ety of the mentally normal elder children. Side effects were uncommon except the initial somnolence which was easily controlled with dosage adjustment. No drug-induced seizure was noted.
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