Japanese
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研究と報告
執着性格とてんかん性格の比較—第2報 Downeyテストの成績
Comparison of Immodithymic and Epileptic Personality by Psychological Testing: Ⅱ. Downey Test
大熊 輝雄
1
,
川原 隆造
2
,
久場 兼功
2
,
梅沢 要一
2
,
中沢 和嘉
2
,
田中 潔
2
Teruo Okuma
1
,
Ryuzo Kawahara
2
,
Kenko Kuba
2
,
Yoichi Umezawa
2
,
Kazuyoshi Nakazawa
2
,
Kiyoshi Tanaka
2
1東北大学医学部神経精神科教室
2鳥取大学医学部神経精神科教室
1Dept. of Neuropsychiatry Tōhoku University School of Medicine
2Dept. of Neuropsychiatry, Tottori University School of Medicine
pp.823-833
発行日 1975年8月15日
Published Date 1975/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202354
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I.はじめに
てんかん性格は几帳面,融通性欠如,執拗・くどさ,粘着性,爆発性などを主な特徴3)とし,また執着性格も几帳面,仕事熱心,熱中性,責任感が強いなどの特徴17)をもち,両者のあいだにはある程度の類似性があると思われる。しかし,従来はこの両性格について詳しい比較検討を行った研究はほとんどなかった。著者らは,執着性格とてんかん性格との類似点や相異点が,従来使用されている各種の心理テストの結果にどのように反映されるかを通して,この両性格の異同をより正確に把握したいと考え,さきにロールシャッハ・テストによって両性格の比較を行った(大熊ら14),1975)。
その結果,ロールシャッハ反応における類似性から,両性格に共通して,几帳面,些事にこだわる,融通がきかない,紋切り型などの性格傾向が存在することが示され,また相違点としては,執着性格者ではてんかん性格者より決断力不足,自信欠乏,常同的・現実的などの性格傾向が強いのに対し,てんかん性格者では執着性格者より自己中心的,独断的,衝動的,協調性困難などの性格傾向が強いことが示唆された。
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