Japanese
English
特集 第24回日本脳・神経外科学会・II
シンポジウム:神経再生と移植・3
同種移植による末梢神経の再生
Successful peripheral nerve regeneration after homografting.
景山 直樹
1
,
池田 公行
1
,
中島 正二
1
,
半田 肇
1
,
松永 守雄
2
1京都大学医学部脳神経外科
2倉敷中央病院脳神経外科
pp.351-358
発行日 1966年4月1日
Published Date 1966/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202024
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
1870年にPhillipeaux and Vulpiani1)が移植神経は欠損部を越えて再生神経線維を導くことができるということを示した古典的な実験以来,多数の研究者により新しい神経線維がgraftを通つて伸びることが実証されており適当なgraftを作る多くの試みがなされてきたが,末梢神経の大きな欠損の満足な修復はいまだ未解決の問題である。
あらゆる種類のgraftが人間および動物で広く研究されたが,heterograftは完全な失敗である。homograftは強い細胞反応を起こしてくるが伸びる再生神経線維を末梢へ導くことができ,動物実験では満足できるほどではないが一応希望の持てる結果を示している。しかし人間ではgraftは強い反応を起こして破壊吸収されるので,動物実験の結果をそのまま人間にあてはめることはできず,人間に末梢神経同種移植を行なう試みは断念された。Autograftは人間でも良い結果をもたらすが,傷害された神経の長さおよび太さが大きいと本人から神経片を取つた場合に大きな神経学的脱落症状を残すので,非常にかぎられた場合だけしか利用できない。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.