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特集 錐体路系の機能
I.錐体路系の解剖生理の概要
Synopsis of anatomy and physiology of the pyramidal system
藤森 聞一
1
1北海道大学医学部第2生理
pp.1091-1094
発行日 1965年11月1日
Published Date 1965/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201939
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体の運動とか平衡を保つ中枢神経機構としては,古くから錐体路系と錐体外路系とが区別され,とくに錐体路系は中枢神経系内でも最も明確にされた神経機構とみなされてきたようである。ところが最近組織学的にはNauta-Gygax (1954)の銀染色法のような,無髄線維や有髄線維でもその終末の無髄部の変性線維を追求できる方法が用いられるようになつたので,錐体路線維の経過やとくにその終末部の所在について再検討が加えられ,その結果多くの新知見が加えられつつある。
他方生理学的には,とくに細胞内電極法の応用によつて大脳皮質運動野の大錐体細胞については,脊髄前柱細胞におけると同様なくわしい分析が行なわれ(Phillips 1956,浅沼ら1959,沢ら1960),その他の神経機構についても同様な分析が進み,この方面の知見がいちじるしく展開された。
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