連載 神経病理基礎実験法・1【新連載】
中枢神経系の肉眼的検査(1)
並木 秀男
1
,
松山 春郎
2
1長崎ABCC病理
2慶大医学部病理
pp.702-709
発行日 1965年7月1日
Published Date 1965/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201882
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I.摘出から固定まで
胸腹部内臓の解剖手技や肉眼的観察方法に一般的な法則があるように,中枢神経系の病理学的検査にもある程度普遍的な方法がある。
初心者は肉眼的観察を軽視し,病理学的所見はすべて顕微鏡下に発見できるという誤つた考えをもちやすい。われわれは,肉眼的観察がしばしば顕微鏡的観察よりもたいせつであることや,中枢神経系の一部およびその隣接組織の大部分が通常保存されないことを念頭に入れなによりも解剖台上の観察を入念に行なうべきであろう。さらには剖検前に生前の臨床歴,特に神経学的所見について十分検討しておき,剖検時に必要組織を取り残したり,必要な検査(微生物培養その他)を忘れたりしないようにすることが望ましい。
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