連載 神経化学実験法・12
行動の記録法
台 弘
1
Utena Hiroshi
1
1群馬大学医学部精神科
pp.76-80
発行日 1965年1月1日
Published Date 1965/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201768
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行動測定の方法論
動物の行動の変化に伴う脳内の生化学的対応を求めるためにも,また脳内の生化学的変化に伴う動物の行動的対応を求めるためにも,行動を規定することは必要である。実験動物の行動の規定は初めは睡眠,覚醒,痙攣状態のようなおおまかな現象的記述にたよつていた。ついで意識状態は脳波的所見に基づいて分類され,痙攣は間代,強直などの動作的分類によつてさらに細かく記述された。しかしいちばんの問題は覚醒状態の行動の種々相をいかに規定するかにある。
行動の記録や測定の技術は,行動学的,心理学的の文献1)2)や薬理学的文献3)4)5)にみられるように,およそいくつかの型に分けられる。しかし同じ技術も目的に応じていろいろに使い分けられるし,新しい着眼は技術に新しい性格を与える。行動と神経化学の関連を問題にするというような科学の若い領域では,このことは特に強調されてよい。
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