特集 第21回日本脳神経外科学会
学会抄録
X.髄液・脳浮腫
浅野 芳登
1,20
,
牧野 惟義
2
,
三輪 哲郎
2
,
原田 雅義
2
,
木村 幸三郎
2
,
奈良 英功
2
,
伊東 洋
2
,
時松 秀治
2
,
蓮江 正道
2
,
橋場 輝芳
3
,
富樫 勉
3
,
源川 弘
3
,
粟津 三郎
4
,
荏原 光夫
4
,
明石 勝禎
4
,
串田 良昌
4
,
森本 峻一
4
,
高倉 公朋
5
,
早川 勲
5
,
三宅 浩之
5
,
斉藤 晃
6
,
川野 正七
7
,
古瀬 光
7
,
万木 二郎
7
,
森 英昭
7
,
黄 世恵
8,9
,
田中 富土雄
8,9
,
松本 悟
8,9
,
梶栗 寿
8,9
,
白馬 明
8,9
,
井坂 功
10
,
佐野 圭司
5
,
千ヶ崎 裕夫
5
,
深井 博志
11
,
根木 弘之
11
,
西本 詮
12
,
倉本 進賢
13
,
師岡 正年
14
,
中村 昭典
15
,
市来 斉
15
,
白尾 哲哉
15
,
内山 一雄
15
,
大熊 旗章
15
,
東 健一郎
16
,
小倉 浩二
16
,
河野 通隆
2
,
牧 豊
17
,
井上 敞
17
,
矢崎 光保
17
,
掘江 武
17
,
掘田 とし子
17
,
隆 克朗
17
,
松本 胖
17
,
榊 三郎
18
,
尾藤 昭二
18
,
岡本 英三
18
,
松岡 健三
18
,
清水 良平
17
,
長嶋 鋼典
17
,
小泉 準三
17
,
山田 昌慶
19
,
後藤 達
20
,
岸田 克明
20
,
古賀 知章
20
Yoshito Asano
1,20
1熊本大医学部外科
2東医大外科
3札医大脳神経外科
4東邦大粟津外科
5東大脳神経外科
6岐医大第2外科
7長大第2外科
8淀川基督教病院外科
9日本バプテスト病院外科
10三重大第1外科
11新大脳外科
12岡大脳神経外科
13久大脇坂外科
14順大第2外科
15鹿大内山外科
16山医大第2外科
17千大神経科
18阪大武田外科
19慈医大
20熊大第1外科
1Dept. of Surgery, Kumamoto Univ. School of Medicine
pp.165-171
発行日 1963年2月1日
Published Date 1963/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201420
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〔85〕脳神経疾患に対する酵素学的研究—特に頭部外傷を中心として—
脳神経疾患時の酵素化学的検策は近時著しく発展を示している。我々は此度頭部外傷を中心に髓液,血液中の酵素変動につきATP, GOT, GPT, LDHの変動と脳関門の問題につき検討を加えた。実験結果は頭部外傷犬の修復過程において動脈血ATPは上昇し,静脈血ATPは減少したが増減を示しながら正常に近づき,また動静脈血清Transaminaseはともに活性値が上昇し漸次正常に復帰する。一方臨床例において血中ATPは脳挫傷の症例では動脈血ATPは一時的上昇,静脈血ATPは軽度減少を示した。髓液Transaminase, LDHは重症頭部外傷で上昇を示し特に髓液血性例の88%,脳挫傷例66%に著明な上昇を示した。髓液及び血清Trans—aminaseを比較すると血清の変動は髓液のそれと平行関係はなく変動し,従つて頭部外傷の場合血清Trans—aminaseのみでprocessを云々することは危険であろう。また頭部外傷の揚合LDHは髓液,血清ともに上昇しTransaminaseの変動より特徴的であつた。
髓液中Transaminase及びLDHの活性値を上昇させる原因に関してはJackobyらはいわゆるanoxic brainを,またLending等はhypoxiaを想定している。我々も頭部外傷犬(脳挫傷犬)の脳組織内酸素濃度を測定した結果,酸素濃度の低下を認めた。
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