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特集 低体温法
〔4〕脳外科における低体温法
HYPOTHERMIA IN NEUROSURGERY
徳岡 俊次
1
Shunji Tokuoka
1
1山口医科大学外科
1Dept. of Surgery, Yamaguchi Medical College
pp.1096-1098
発行日 1962年12月1日
Published Date 1962/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201377
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脳外科における低体温法というテーマであるが,低体温法とは趣を異にした脳室灌流冷却を主に述べさせていただきたい。教室の東,館林らはHyperventilationを併用した低体温麻酔下における髄液の産生および吸収の変化を,成犬についてロダンソーダ法で追究し,その成績はすでに発表してあるが,概略を述べると,体温20℃,3時間持続の状態では,第1図のごとく,1)血液から髄液へのロダン透過率は著明に増加するが,第2図のごとく,2)髄液から血液へのロダン吸収率には有意の変化を認めない。さらに第3図のごとく,2)髄液中の蛋白量は増加するが,糖量にはいちじるしい変化を認めない。4)髄液のリボ核酸分解能は,亢進するが,5)サルファ剤(イルガフェン)の血液から髄液への移行度は,減少する傾向を示す。
教室の重富は,第4図のごとく,成大の脳各部の酸素消費量を,2%の割合にブドウ糖を添加した燐酸緩衝液中で測定したが,橋場教授の示された成績におおむね一致し,30℃から25℃までの間に,正常体温時の40%内外に急激に減少し,このような組織呼吸比の減少は大脳皮質,視床のほうが中脳より8%内外強いようである。
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