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特集 頭部外傷
〔14〕空挺降下による頭部外傷の研究—(第3報)動物実験について
EXPERIMENTAL STUDIES ON HEAD INJURIES INDUCED BY PARACHUTE OPENING SHOCK
堀之内 宏太
1
,
谷村 憲一
1
,
細田 誠治
1
Hirota Horinouchi
1
,
Ken-ichi Tanimura
1
,
Seiji Hosoda
1
1自衛隊中央病院診療第2部脳神経外科
1Dept. of Neurosurgery, Central Hosp. of Self Defense Force
pp.951-957
発行日 1962年10月1日
Published Date 1962/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201351
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I.緒言
落下傘の思想は中国で18世紀の末に概念的に発生した。この思想が漸次西方に移動し,航空機の発展に伴つて実戦に使用する具体的方法が考案された。第一次世界大戦後に初めてソ連が落下傘部隊を組織的に訓練した。実戦的にはドイツが第二次世界大戦初頭に使用して多大の効果をあげたのに刺激され,西欧諸国,米国および日本で落下傘は研究されさらに発展した。第二次世界大戦中は米国のノルマンディ作戦,英国のインパール作戦,日本のパレンバン作戦としてその成果があげられ,その戦術価値も再認され,第二次世界大戦後も世界各国はその育成に力をいれている。しかしながら訓練中に発生すると考えられる各種の障害については文献上の記載に乏しい。
日本でも古い陸海軍空挺部隊の歴史を有していたが,終戦によりこれら伝統もその記載も消失し,昭和30年に新らしく米式訓練を開始した。
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