特集 第21回日本脳神経外科学会
学会抄録
VI.頭部外傷(I)
清水 健太郎
1
,
堀之内 宏太
2
,
谷村 憲一
2
,
細田 誠治
2
,
森安 信雄
3
,
佐藤 公典
3
,
藤井 寅夫
3
,
森田 幸雄
3
,
渡上 太郎
3
,
本間 正和
3
,
中村 三郎
3
,
長嶺 博
3
,
小野 勢津男
4
,
小島 一夫
4
,
野村 史郎
4
,
持木 太
5
,
槇 建
6
,
中村 陽二
6
,
戸田 孝
6
,
西島 早見
7
,
岡野 登志郎
7
,
奈良 英功
15
,
妹尾 博吉
8
,
成田 敦
8
,
高橋 慎一郎
8
,
畠中 坦
9
,
牧田 泰正
10
,
喜多村 孝一
9
,
桑原 武夫
9
,
中村 紀夫
9
,
寺尾 栄夫
9
,
千ヶ崎 祐夫
9
,
佐野 圭司
9
,
白方 誠弥
4
,
石森 彰次
11
,
竹内 慶治
11
,
山岸 孝男
11
,
波多野 録雄
11
,
宇山 理雄
12
,
都留 美都雄
13
,
脇坂 順一
14
,
倉本 進賢
14
,
高木 繁幸
14
,
渡辺 光夫
14
,
福田 俊一
14
Kentaro Shimizu
1
1東京大学医学部外科
2自衛隊中央病院脳神経外科
3日大第1外科
4岩医大光野外科
5岩医大第2生理
6名市大第2外科
7徳大第1外科
8東北大桂外科
9東大脳神経外科
10京大第1外科
11静岡赤十字病院外科
12京都第二日赤
13北大脳神経外科
14久大脇坂外科
15東医大外科
1Dept. of Surgery, Faculty of Medicine, Tokyo Univ.
pp.148-152
発行日 1963年2月1日
Published Date 1963/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201416
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〔50〕空挺降下による頭部外傷の研究(第4報)Gに関する実験について
私は第17回,第18回本学会で空挺降下訓練によつて発生する各種障害について報告し,その原因はLanding—shockとParachute-opening-shockであることも報告した。また第20回本学会ではParachute-opening—shockは加速度Gが主体であり,この加速度Gにより,病理学上にいろいろな変化の存在することを述べた。今回はこの加速度Gによる影響を家兎を使用して,遠心力発生装置で実験した。現在交通災害を始めとして,すべての頭部外傷の発生を考える際に,局所打撲だけでなく速度及び加速度の条件は度外視できない。しかし今までこの加速度Gのみを単独に生体に作用させることは不可能とされていたが,私たちはこの遠心力発生装置により加速度Gを家兎に加えて実験した。実験方法は心電図等による加速度G附加中の観察,組織学的検索,電顕像による検査である。その結果心電図ではTの変化を主とした不整脈が存在した。しかしこの変化は機能的なもので加速度除去後は急速に回復した。生体観察では脳震盪のような症状を呈した。肉眼的観察では脳室周辺の出血像があり,光顕像でも毛細血管以上の細小血管の破綻性出血が存在し,astrocyteの集簇が証明できた。また電顕像でもastrocyteの変化があつた。これらの変化は空挺降下後の臨床所見と一致するものと考える。
さらに私たちは,脳波装置を装着して,加速度附加中の脳波を記録するとともに,生化学的にも加速度の影響について追究している。
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