Japanese
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特集 頭部外傷
〔13〕Neurovascular Frictionの動物臨床的観察
STUDIES OF NEUROVASCULAR FRICTION IN ANIMALS
清水 健太郎
1
,
寺尾 栄夫
1
Kentaro Shimizu
1
,
Hideo Terao
1
1東京大学医学部脳神経外科
1Dept. of Neurosurgery Tokyo Univ. School of Medicine
pp.947-949
発行日 1962年10月1日
Published Date 1962/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201350
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閉鎖性頭部外傷の際の神経症状発現の機序に関しては,古くから多くの研究があるにもかかわらず,まだ解明されていない。われわれは4年前に頭部外傷の際に脳血管と脳実質との間にズレが起こることを,病理組織学的に実証し,この機序をNeurovascular frictionと名づけて発表したが,その後さらにNeurovascular fric—tionにより実際にひき起こされる臨床症状を動物で観察し,人間の頭部外傷および頭部外傷後遺症に類似した症状を認めた。
この実験動物としては犬および日本猿を用いた。開頭術により脳血管の種々の部位に,きわめて細いステインレス・スチールで作製したwire hookをかける。すなわち両側前大脳動脈膝部,前大脳動脈起始部,中大脳動脈幹部,あるいは脳底動脈にwire hookをかけ,hookの他端は手術創を通して頭皮上に固定しておく。
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