Japanese
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特集 脳腫瘍の臨床
〔1〕脳腫瘍の臨床
THE SURGICAL ASPECTS OF BRAIN TUMORS
荒木 千里
1
Chisato Araki
1
1京都大学医学部第1外科
1The 1st Div. of Surgery Kyoto Univ. School of Medicine
pp.737-749
発行日 1962年9月1日
Published Date 1962/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201307
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脳腫瘍の手術方針
脳腫瘍の臨床といつても,ここで述べるのは脳腫瘍の手術についてである。
私どもの方針としては,どんな場合にも,とにかくまず全剔(肉眼的)を試みる。それができないと判明した時に,一歩を譲つて亜全剔とか,部分切除にきり替える。もちろんそれは単にinter—nal decompressionの意味である。そして術後にレントゲン治療を行なう,というのであつて,これは結局Cushing以来多くの人のやつているところである。ただ人によつて全剔の側に傾むく人と,姑息的手術の側に傾むく人とがある。私は中位のところをゆきたいと思つている。それは要するに,大学のクリニックにいる以上,安全第一の手術ばかりしていてもおもしろくないので,時には冒険をおかしてみる,というぐらいのところである。
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