Japanese
English
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外科より見たる内臟の疼痛
Contribution of Recent Surgery to the Knowledge of Visceral Pain
荒木 千里
1
Chisato Araki
1
1京都大學
pp.73-79
発行日 1949年3月20日
Published Date 1949/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200419
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私は先づ,京大生理石川日出鶴丸名譽教授の,この方面に關する研究—それは,今から20年前のものであるが,今日でも充分尊重さるべき研究である。唯惜しいことには,一般にあまり知られてゐない—を紹介し,次いで臨牀家としての立場からこれに就て若干の意見を述べて見たいと思ふ。
内臟の痛覺を動物で研究するには,疼痛に對する反應を高める樣に工夫することが必要である。その第1の方法として,アトロピンの小量を與へておく。アトロピンわ必ずしも注射に限らず,腦の一定部の表面に塗つてもよい。第2の方法は大腦を除去する。これで疼痛反應が高まる。この樣な方法を採用することによつて,動物で比較的明瞭に内臟の痛覺を研究し得る。動物では疼痛といふことが明かでないので,侵害感覺(Noci-Emp—findung),又は侵害反射(Noci-Reflex)と云ふ言葉を用いる。要するに之は逃避反射とか呼吸,血壓に對する反射的影響等を檢査するのである。
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