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特集 脳浮腫・血液脳関門
脳浮腫の研究
THE STUDIES ON CEREBRAL EDEMA
西本 詮
1
Akira Nishimoto
1
1岡山大学医学部陣内外科
1Dept. of Surgery, Okayama University Medical School
pp.363-366
発行日 1962年5月1日
Published Date 1962/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201242
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脳外科における最大の困難は出血と脳浮腫の二つにつきるといつても過言ではない。この脳浮腫は脳手術およびその術前術後を通じ,余後を左右する重大な因子であり,しかもいつたん発生すればそれを消退せしめることは非常に困難である。私どもは脳浮腫の発生を予防する目的で,脳浮腫がいかなる条件のもとに発生しやすいかを実験的に検討してみた。すなわち麻酔,手術,輸液など日常脳外科で用いられる種々の操作を動物に加え脳浮腫の発生を観察するとともに,また臨床例においても開頭術前後における臨床症状と脳波とを遂一的に検査して,脳浮腫の消長を調べてみたのである。
脳浮腫状態を検索する方法としては,肉眼的ならびに組織学的検査,脳血管系拡張の測定,脳脊髄液圧の測定,脳体積と頭蓋容積との比率,脳含水量測定など,種々の方法があるが,私どもはそのひとつの方法として安保教授の言う自由水,結合水の見地から,第1表のごとくHatschekの塩化コバルト法による脳含水量の測定を行なつてみた。
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