Japanese
English
文献抄録
間歇的脊椎動脈圧迫症,他
Intermittent vertebral artery compression : a new syndrome,他
Powers, S. R. Jr
,
Drislane T. M.
,
Nevins, S.
pp.115
発行日 1962年2月1日
Published Date 1962/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201199
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- Abstract 文献概要
動脈硬化性の脳底動脈閉塞と異つて症状呈示が間歇的で,全く無症状の時期がある。そして急にメマイ(vertigo)が突発する。発作は予測しえないが,亢奮・頭の回転・頭の伸展などにひきつづく。メマイ(vertigo型)から更に脳底動脈不全症状として中枢性聴力障害,耳鳴り,頭痛(tension型),さらに悪心嘔吐,下痢などの迷走神経刺激があらわれる。視力障害(perceptive型)幻覚,患側四肢の知覚異常,冷寒。これらが前斜角筋で鎖骨下動脈が圧迫され,間歇的に椎体動脈が狭窄されておこる。この症状で診断は確かであるが,さらに鎖骨下動脈造影がよい。椎体動脈が正常と異り,鎖骨下動脈背側から斜に出るので,後方と鋭角をなし,頭を回転すると前者が遮断される。前斜角筋を緊張させると遮断,筋を切離すると遮断は解除する。その他の検査法にaudio—gramで2/3に中枢性障害を見る。両腕の循環のプレチスモ,容積脈波に異常の波を見る,つまり収縮期の波のrise timeが著しく延長する等。17症例を自験し,1側カラー切開で前斜角筋を切離,鎖骨下動脈を露出して頸枝を切り離す。truncus thyreocervicalis切離,鎖骨下動脈を前下方へ押しまげると,椎体動脈は垂直に後者から走るようになる。3〜28ヵ月観察して16例は改善した。1側性13,両側性4。
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