Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
頭蓋内space taking lesionによつて,その附近の血管の走行が変化する。現在吾々は脳動脈撮影によつて動脈の走行の変化を見て(此処では血管撮影像の所見の中,血管走行の変化に就いてのみ論ずる事とする)病的変化の局在を診断している。然し一方,静脈撮影によつて,静脈の走行の変化を見る事も,病変の局在診断に対しては同じような意義をもつている筈である。
従来,脳血管撮影では,主として動脈像のみが撮影され,これによつて診断の目的もほぼ,かなえられる事が多かつたので,特殊な場合を除き,静脈像には殆ど注目が向けられていなかつた。然し脳静脈像を撮影して,これを観察して見ると,脳動脈像よりも一層病的変化をよく表わしている場合や,又両者を併せ観察する事により,病的変化を一層詳細に把握する事が出来る場合が多い。脳静脈像の所見に就いては,既に2,3の研究者によつて,若干の考察が加えられているが,それらは主として深部脳静脈系に属する静脈に就いてである。それは,深部脳静脈は表在性脳静脈に比べ,個人差に基く偏位変形が比較的少く,その所見を分析し考察する事が比較的容易な為であるからであろう。
Certain cases of cerebral phlebograms show-ing the changes of internal cerebral vein and its branches were demonstrated and its diagnostic values were emphasized for the intracranial mass lesions. It was reco-gnized that the diagnostic significances of cerebral angiogram for the space taking le-sions would be increased by observing both the cerebral arteriogram and phlebogram.
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.