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第9回 綜合医学賞入選論文
筋紡錘の求心性発射活動に対する中枢性抑制と脳活動
CENTRAL INHIBITORY MECHANISM OF SPINDLE AFFERENT DISCHARGE AND BRAIN ACTIVITY
本郷 利憲
1
,
久保田 競
1
,
島津 浩
2
Toshinori Hongo
1
,
Kisou Kubota
1
,
Hiroshi Shimazu
2
1東京大学医学部脳研究所
2順天堂大学第二生理学教室
1Brain Research Institute, Tokyo University
2Department of Physiology, Juntendo University, School of Medicine
pp.913-924
発行日 1959年11月1日
Published Date 1959/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200857
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筋紡錘の発射活動が脊髄前根を通る細い遠心性線維,即ちγ線維によつて調節されていることがLeksell (1945)によつて生理学的に証明されて以来,筋紡錘に対するγ線維の促通作用に関する末梢性機序については多くの詳細な研究が発表されている(Kuffler, Hunt & Quilliam, 1951:Hunt & Kuffler, 1951:Granit & Henatsch,1956:Cooper & Daniel, 1957)。
Granit & Kaada (1952)は筋紡錘の発射活動がγ線維を通じて中枢性にも調節されていることをはじめて明らかにし,特にγ系(γ線維——筋紡錘——求心性線維の回路)が脳幹網様体と密接な機能的結合をもつていることを強調した。脳幹網様体は下行性に筋緊張の維持に対して重要な役割を果しているが(Rhines & Magoun, 1946:Magoun & Rhines, 1947),更にEldred, Gra-nit & Merton (1953)はγ系に対する賦活作用を通じて筋紡錘の求心性発射を増強させることが筋緊張維持の重要な要因であることを明らかにした。即ち筋紡錘は筋の張力受容器であると同時に運動系の一環としてその活動を支える重要な役割をもつている。
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