Japanese
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研究
メタクリル樹脂による頭蓋欠損の補填(2)
REPAIR OF CRANIAL DEFECTS WITH METHACRYRIC RESIN
三木 輝雄
1
Teruo Miki
1
1東京大学医学部清水外科教室
1The First Department of Surgery of Tokyo University School of Medicine
pp.673-700
発行日 1958年10月1日
Published Date 1958/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200716
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第5章 即硬レジンによる頭蓋形成術の臨床
前章記載の実験的研究が進むにつれその臨床的応用価値も略々判明したので慎重に応用を開始し現在(昭.32.2)まで14例を経験した。第1例では慎重に即硬レジン本来の使用法をとる事なく加熱重合レジン同様加熱重合操作を行つた後挿入した(昭.30.7.14.施行)が何等の障碍もなく経過した。第2例(症例5)では始め同じく加熱重合して挿入したが手術時骨欠損部によく適合しなかつたので再度加熱重合を待つ事出来ず止むなく即硬レジン本来の使用法を施行した。(昭.30.12.6施行)使用材料に対する黴菌学的検査は一応施行してあつたのでRobinson & Macalister44)の唱えた様な消毒法は特に施行しなかつた。多少の不安感をもち乍ら観察して居たが全く順調に経過したので少し自信を得て昭.31.2.2.第3例を試みた。此の両手術間にも平板法は4例施行して居り本症例でも術前の予定では平板法を行う事になつて居たが部位が側頭部で準備した平板法レジン板は彎曲が充分適合せず止むなく即硬レジンを試みた。本例も全く順調に経過し術後11日に全治退院したので益々自信を得て第8例では稍々危険性ある例に試みた(症例2)。然し即硬レジンは見事に此の試験にも合格しそうである。平板法と即硬法を併用した時期も過ぎて最近では即硬法を以て原則とする迄になつた。本章に於いてはその使用法の実際と一部の症例を記載する。
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