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諸種Na鹽の脳髄性痙攣作用に就いて
濱田 昇
1,2
1財團法人林研究所
2醫療法人財團荻窪病院内科
pp.295-296
発行日 1952年9月1日
Published Date 1952/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200302
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1.緒言
石橋1)は大黒鼠頭蓋上より諸種の物質の少量を腦髓内に注入して,運動性現象が起るかどうかを検定する方法を創案して,nicotin, strychnin, picrotoxin, Metrazolにより大黒鼠に特有なる間代性痙攣(略してkk)を主型とした運動現象が起る事を發見し,之を腦髓性痙攣と名付け,これらの物質を腦髓性痙攣物質と命名した。その後石橋,早川2)はこの方法を用いて鹽化Na,炭酸Na,蓚酸Na,枸櫞酸Na,グルタミン酸Naの5物質に依つても全く同一の腦髓性痙攣が起る事を發見し,藤井,原田,早川3)も同樣にして,フマール酸Na,酒石酸Naも亦腦髓性痙攣物質であることを發見した。著者はこれらNa鹽の外は,尚腦髓性痙攣物質となるような鹽はないであろうかと考えて,無機,有機化合物に就いて検索した。
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