Japanese
English
--------------------
頭蓋腦レ線像に於けるCranio-cerebral Topography
Cranio-cerebral Topography in the X-Ray Pictures of the Shull
高村 行雄
1
Takamura, Yukio
1
1京都大學醫學部外科
1Medical Dept, Kyoto Univ
pp.177-181
発行日 1949年5月1日
Published Date 1949/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200032
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
健康な人體で,多數の腦撮影を行い,標準となるべき基準を決定する事は實際問題として實行不可能に近い事である。從つて,これには腦,頭蓋に病状を現わすおそれのない疾患の屍體に就て,諸種の造影法を實施し,屍體に於て腦各部の形態が,レ線學的に如何に現われるかということを詳細に研究する必要がある。此の點に關しては,從來内外諸家により詳細に研究せられた事であるが,多くは屍體腦に固定,防腐の目的にてホルマリン固定その他何等かの前處置を施したるを以て,多少の腦縮小を免かれ得ず,從つて,生體像と相當の相違があるものと思われる。尚,從來の研究は腦室或いは腦溝等,個々のものに關しては詳細に研究せられているが,全體としての相互的局所解剖學的關係を究明したものが尠い。私は此の點に特に意を拂ひ,死後間もない新鮮,正常な屍體の頭蓋腦に於て,何等の前處置をも施さず,而も腦を頭蓋より取り外すことなしに,從つて,自然そのまゝの,生體に最も近い状態で,諸種の造影法を實施し特に頭蓋・腦表面・腦室及び腦溝の形態並に相互的局所解剖學的事項に就て,詳細に研究したるを以て,以下5個の頭に就て觀察した成績を記述することとする。
Copyright © 1949, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.