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游走腎に於ける立位腎盂像の「レ」線学的研究補遺—腎盂の変形像について
清水 圭三
1
,
吉川 康史
1
1名古屋大学医学部泌尿器科教室
pp.439-443
発行日 1956年7月1日
Published Date 1956/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201719
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緒言
游走腎の診断には立位腎盂撮影法を施行する事に依つて確実に,而もその游走程度をも知る事が出来るので著者等は昭和25年以来立位腎盂撮影法の重要性を強調し,フイルム上に於ける立位像と臥位像について腎盂位置を計測してその変化を追求すると共に,游走腎に関するレ線学的所見について数回に亘つて学会に報告し又原著として発表した。而して,游走腎に於いては腎の下降と共にフィルム上に投影された腎盂像には種々の変形像が観られるが此等の所見は患者の自覚症状の原因と密接な関係があり極めて重要な所見である。従つて腎盂変形像は本症の診断に当つて腎下降程度,尿管の変化等と共に極めて重要な要素をなすべきものである。著者等は昭和29年1年間に立位腎盂撮影法を実施した症例について腎盂変形像を詳細に観察したのでその結果を述べ諸家の御参考に供したいと思う。
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