Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
病初期にMRI diffusion-weighted image変化を捉えられたCreutzfeldt-Jakob病の1例
Diffusion-weighted MRI Changes in Early Stage of Creutzfeldt-Jakob Disease
辻 雅夫
1
,
高橋 一浩
1
,
平本 直之
1
,
高見 昌明
1
,
三宅 裕治
1
,
大村 武久
1
,
松本 昊一
2
1西宮協立脳神経外科病院脳神経外科
2西宮協立リハビリテーション病院
pp.806-807
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100566
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- Abstract 文献概要
症 例 63歳,女性
既往歴 特記すべき事項なし。脳神経外科手術などの既往はなく,家族内,近親者にも本疾患に罹患したものはいない。
現病歴 平成13年2月16日よりふらつき感を訴え,3月5日,歩行障害を主訴とし当院外来を受診。CT検査では異常所見を認めず,3月7日より精査入院となる。入院時のMRI所見ではT1およびT2ともに特徴的な所見は認められなかったが,diffusion-weighted image(DWI)にて両側前頭葉より基底核部にかけての不均一なhigh intensity area(図)を認めたため,炎症性疾患や変性疾患を疑った。脳血管撮影でも血管病変や脳循環ないしは灌流障害を示す所見も認めなかった。髄液所見では若干の髄液圧上昇を認めたものの細胞数,糖,蛋白も正常範囲内であり,HSV-PCR,Tb-PCR,クリプトコッカスグラム染色は陰性であり,感染症あるいは炎症性疾患も否定的であった。その後も言語に対する反応が徐々に低下し,記銘力障害,計算力障害や歩行障害が進行し,3月11日には嚥下障害も出現した。脳波では1HzのPSDが認められ,3月20日にはミオクローヌスが認められたため,抗痙攣剤の投与を開始した。4月以降になり言語反応も徐々に低下した。CT検査では大脳皮質の萎縮と並行してミオクローヌスが著明となり,治療継続と療養を目的として転院となった。
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