Japanese
English
特集 神経内視鏡手術の進歩
3.下垂体腫瘍
Endoscopic Pituitary Tumor Surgery
田原 重志
1
,
喜多村 孝幸
1
,
寺本 明
1
Shigeyuki Tahara
1
,
Takayuki Kitamura
1
,
Akira Teramoto
1
1日本医科大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Nippon Medical School
キーワード:
tanssphenoidal surgery : TSS
,
sublabial rhinoseptal approach : SRA
,
transnasal approach
,
endoscopic transnasal transsphenoidal surgery
,
neuronavigator
,
image-guided neurosurgery
Keyword:
tanssphenoidal surgery : TSS
,
sublabial rhinoseptal approach : SRA
,
transnasal approach
,
endoscopic transnasal transsphenoidal surgery
,
neuronavigator
,
image-guided neurosurgery
pp.487-496
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100496
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はじめに
脳神経外科領域における内視鏡の進歩は,細小径の神経内視鏡,および周辺機器の開発により,その適応が飛躍的に広まりつつある。この場合の内視鏡の役割は大きく2つに分かれるといえる。1つは内視鏡自体の持つ機能性を重視し,内視鏡のみですべての手術操作を行うものであり,内視鏡下手術といわれる。この方法は脳室内病変への手術や,水頭症に対するthird ventriculostomyなど,脳室へのアプローチを穿頭術のみで低侵襲で行うことができ有用である。もう1つは従来の顕微鏡手術を支援する目的で内視鏡を用いる方法であり,内視鏡支援手術といわれる。この方法は顕微鏡手術での死角になる部分を補う目的で使われ,脳腫瘍摘出の際に残存腫瘍の観察に,あるいは脳動脈瘤のクリッピングの際,ブレードの先端の確認などに使用されている。経蝶形骨手術(transsphenoidal surgery:TSS)は下垂体部腫瘍,特に下垂体腺腫に対する最も一般的な手術法である。一般的に,この術式は手術機器として顕微鏡が使用されてきたが,近年内視鏡の利点を生かし,この方法に内視鏡が広く使われるようになりつつある。今回,内視鏡を使ったTSSの特徴,基本術式につき顕微鏡手術と比較するとともに,今後の展望についても概説する。
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