Japanese
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特集 神経内視鏡手術の進歩
4.神経内視鏡による脳内血腫吸引術の現況
Endoscopic Evacuation of Spontaneous Intracerebral Hemorrhage : A Review
西原 哲浩
1
,
永田 和哉
1
,
落合 慈之
1
Tetsuhiro Nishihara
1
,
Kazuya Nagata
1
,
Chikayuki Ochiai
1
1NTT東日本関東病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Kanto Medical Center NTT EC
キーワード:
cerebral hematoma
,
intracerebral hemorrhage
,
endoscope
,
endoscopic evacuation
Keyword:
cerebral hematoma
,
intracerebral hemorrhage
,
endoscope
,
endoscopic evacuation
pp.499-508
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100497
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はじめに
近年,脳神経外科における治療概念は脳や神経への侵襲を最小限におさえる,いわゆるless invasive, minimally invasive neurosurgeryを重視する方向にある。神経内視鏡分野でも,1980年代後半からの光学機器と周辺機器の技術的,工学的改良進歩も手伝い,内視鏡を用いた脳神経外科手術が注目されるようになった。脳神経外科領域における内視鏡治療の歴史については他稿に譲るが,1990年代になると閉塞性水頭症に対する第三脳室底開放術をはじめ神経内視鏡による手術が盛んに行われるようになり現在に至っている19, 21, 37, 43, 45, 52)。筆者らも早期から内視鏡を積極的に導入し神経内視鏡手術を行っているが,特に脳内出血の手術において内視鏡下手術用機器を開発・作製するとともにオリジナルの内視鏡下血腫吸引術を考案し,非侵襲的で血腫吸引効果の高い手術を行っている40~42)。本稿では,内視鏡による脳内血腫吸引手術の有用性と現況を明らかにするために,従来の脳内出血の外科的治療とその問題点について言及し,これまでの内視鏡による血腫吸引術について解説するとともに,すでに複数の施設に普及し将来脳内出血のスタンダードな治療となりうる筆者らの手術方法について概説する。
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