Japanese
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脳・脊髄のMRI画像アトラス
小さな皮質下転移性脳腫瘍の手術におけるMRI SAS法の有用性
Usefulness of Surface Anatomy Magnetic Resonance Scanning for Operation of Small Subcortical Metastatic Brain Tumor
有島 英孝
1
,
磯崎 誠
1
,
吉田 一彦
1
,
佐藤 一史
1
,
久保田 紀彦
1
1福井大学医学部脳脊髄神経外科
pp.530-532
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100302
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症 例 52歳,男性
現病歴および経過 2002年6月3日,左上葉の肺癌および転移性脳腫瘍の疑い(右前頭葉に著明な浮腫を伴う直径約3cmの腫瘍)にて当院入院,化学療法と開胸による左肺癌全摘出術および脳の病変に対して放射線治療(全脳27.5Gyおよび局所に定位放射線治療として25Gy)が施行された。肺癌の病理組織は平上皮癌であった。脳の病変は放射線治療が著効し,2003年1月14日に撮影したMRIで腫瘍は画像上ほぼ消失したが,2003年4月23日に撮影したMRIにて,右前頭葉に再び造影される直径約3mmの腫瘍を認め,7月2日のMRIでは造影される腫瘍は直径約7mmに増大した。既に放射線治療が行われているため,今回は手術目的にて当科入院となった。
画像所見 造影MRI水平断で腫瘍は中心溝(図1A矢頭)の前方,すなわち中心前溝に位置していた(図1A)。造影MRI冠状断で腫瘍は正中より右側2つ目の脳溝の下に存在し(図1B),腫瘍の上方に脳表静脈を認めた(図1B矢印)。造影MRI冠状断で認めた腫瘍上方の静脈は,脳血管撮影の静脈相では矢状静脈洞とほぼ平行に走行していた(図1C矢印)。Surface Anatomy Scan(SAS)法の画像(図1D)では,造影MRIで認めた中心溝(図1D矢頭),正中より右側2つ目の脳溝と脳表静脈のflow void(図1D矢印)が描出され,これらの所見からSAS法の画像における腫瘍の位置(図1D星印)が予測された。
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