Japanese
English
総説
重症筋無力症と胸腺―病因と治療の新たな側面
Pathogenesis of Myasthenia Gravis
小野寺 宏
1
Hiroshi Onodera
1
1独立行政法人国立病院機構西多賀病院神経内科
1Department of Neurology, National Nishitaga Hospital
キーワード:
myasthenia gravis
,
thymectomy
,
chemokine
Keyword:
myasthenia gravis
,
thymectomy
,
chemokine
pp.987-997
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100236
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨 重症筋無力症(myasthenia gravis:MG)は,シナプス後膜(特にニコチン性アセチルコリン受容体;nicotinic acetylcholene receptor:AChR)を標的とする臓器特異的な自己免疫疾患である。大多数の患者に胸腺腫や過形成などの胸腺異常が合併しており,胸腺摘出手術と免疫抑制剤による治療が広く行われている。ケモカインはリンパ球の機能調節に不可欠な液性因子であり,治療前のMG患者では多くのケモカインシグナルが変調している。治療後は徐々にケモカインシグナルは正常化に向かうこと,免疫細胞の局在性を制御するケモカインシグナルの変調がMG胸腺の病態に深く関わっていることが明らかになってきた。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.