Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
体幹の偏奇を主症状とした延髄外側梗塞
Two Cases of Lateral Medullary Infarctions Presenting with Axial Lateropulsion
前田 憲吾
1
1堀川病院神経内科
pp.718-719
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100214
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症例1 81歳,糖尿病の女性。2002年6月下旬起床時に左に傾き歩けないために受診した。意識清明で,嘔気や耳鳴はなかった。軽度の回転性めまいがあった。嚥下困難や嗄声もなく,発汗に関する自覚症状はなかった。脳神経領域では外眼筋麻痺や眼振,眼瞼下垂はなく,瞳孔径も左右差を認めなかった。四肢筋力は正常で,温痛覚・深部感覚は両下肢遠位部で低下していたが,左右差はなかった。腱反射は左右差なく,両下肢遠位部で低下していた。病的反射は認めなかった。指鼻・膝踵試験は正常で,四肢失調はなかった。立位や歩行では左へ偏奇し,片足立ちは不可能で,転倒の恐れがあり,継ぎ足歩行は検査しなかった。オザグレルとエダラボン投与で,1週後に独歩可能となった。
MRI所見 翌日のMRIでは,拡散強調およびT2強調画像,FLAIR像にて吻側延髄左外側に高信号を認めた(図1)。MRAでは主幹動脈の狭窄はみられなかった。
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