Japanese
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脳・脊髄のMRI画像アトラス
脳幹型高血圧性脳症と後大脳動脈領域梗塞が共存した1例
Coexistence of Hypertensive Brainstem Encephalopathy and Acute Ischemic Stroke in the Posterior Cerebral Artery Territory
鄭 秀明
1
,
臼井 徹
1
,
西澤 悦子
1
,
内山 由美子
1,2
1戸田中央総合病院神経内科
2東京女子医科大学神経内科
pp.716-717
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100213
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症 例 62歳 男性 高血圧歴あり
2004年12月下旬より嘔気,めまい感が出現,その2日後に視力障害,歩行障害が出現したため緊急入院した。血圧196/110mmHgと上昇し,神経学的には見当識障害,両側高度視力障害,軽度右中枢性顔面神経麻痺が認められた。同日の頭部MRIではdiffusion画像(DWI,図,上段)で左側頭葉から後頭葉に高信号域がみられ,FLAIR画像(図,中段)では脳幹部(上部延髄から中脳)に高信号領域がみられ,両側後大脳動脈領域にも高信号が認められた。心原性塞栓源はなく,MRアンギオグラフィーで両側椎骨動脈・脳底動脈の描出は不良であった。血圧は入院後も190~220/100~120mmHgが持続したが,急性期は降圧せず経過観察した。神経学的に増悪なく,全身状態は徐々に安定した。3カ月後のMRI(図,下段,FLAIR画像)では脳幹部の高信号はほぼ消失していた。
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