Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
Central pontine myelinolysisのMRI・1H-MRS所見
MRI and 1H-MRS Findings of Central Pontine Myelinolysis
石原 哲也
1,3
,
川上 俊幸
1
,
宮本 智之
1
,
平田 幸一
1
,
佐藤 俊彦
2
1獨協医科大学神経内科
2宇都宮セントラルクリニック
3総合南東北病院脳卒中・神経センター
pp.82-83
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100190
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症 例 61歳女性。糖尿病で内服加療中。平成14年10月から全身倦怠感が出現し,近医で低ナトリウム血症(114mEq/l)を指摘された。点滴にてナトリウムの補充療法を受けたところ意識障害および四肢の脱力が出現したため,精査目的に当院へ紹介となった。受診時所見では体温36.5℃,意識は傾眠傾向で簡単な指示に従える程度であった。四肢の軽度の脱力と筋伸張反射の亢進を認めた。血液検査では血糖340mg/dl,HbA1c10.6,血清ナトリウム156mEq/lであった。
画像所見 頭部MRI(第9病日)ではT2強調像(T2WI)で橋底部に高信号変化を認めた(図A, B)。拡散強調像(DWI)では同部位に淡い高信号を認め(図C)cytotoxic edemaを示唆する所見と考えられた。一方,同時に施行した1H-MRSではコリン化合物/クレアチン・クレアチン燐酸比(Cho/Cr)0.85,N-アセチルアスパラギン酸/クレアチン・クレアチン燐酸比(NAA/Cr)0.79と著明なNAAの低下を認めたがChoの増加や乳酸の増加はみられず,腫瘍や虚血などの異常代謝の所見とは異なっていた(図D)。
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