Japanese
English
研究と報告
画像所見にて診断したcentral pontine myelinolysisの1例
A Case of Central Pontine Myelinolysis Diagnosed by Imaging Findings
梶田 修明
1
,
吉邨 善孝
1
Osaaki Kajita
1
,
Yoshitaka Yoshimur
1
1昭和大学医学部精神医学教室
1Department of Psychiatry, Showa University School of Medicine
キーワード:
Central pontine myelinolysis
,
Hyponatremia
,
CTscan
,
MRI
,
Chronic alcoholism
Keyword:
Central pontine myelinolysis
,
Hyponatremia
,
CTscan
,
MRI
,
Chronic alcoholism
pp.39-44
発行日 1992年1月15日
Published Date 1992/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903177
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【抄録】 症例は60歳の慢性アルコール症の男性であり肝障害にて入院後,全身倦怠感とともに易刺激性,焦燥感,不眠がみられ徐々にせん妄状態に移行した。その後意識障害は改善されるも一過性に四肢不全麻痺・仮性球麻痺・小脳失調が軽度認められ,画像にて橋中央部に境界明瞭な異常所見が得られることにより,本例をCPMと診断できた。CPMの病因については最近,低Na血症の急速補正が注目されているが,本例にその事実はなく諸検査結果より,我々は低Na血症の持続とアルコール・肝障害因子が影響し合い本例のCPMを形成したと推測した。CPMの病因解明には多数例の報告と並行し,1つ1つの詳細な報告が必要と考え今回本例を提示した。CPMはこれまで剖検にて診断されることの多い予後不良の稀な疾患とされてきた。しかし,本例のごとく過去には見逃されていたと思われる予後良好な軽症例も,画像診断の進歩とともにその報告は今後ますます増えるものと考えられた。
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