Japanese
English
特集 脳ドックの新しい診療ガイドライン
4.無症候性脳腫瘍
Asymptomatic Brain Tumor
寺本 明
1
,
嘉山 孝正
2
,
倉津 純一
3
,
有田 憲生
4
Akira Teramoto
1
,
Takamasa Kayama
2
,
unichi Kuratsu
3
,
Norio Arita
4
1日本医科大学脳神経外科
2山形大学脳神経外科
3鹿児島大学脳神経外科
4兵庫医科大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Nippon Medical School
2Department of Neurosurgery, Yamagata University School of Medicine
3Department of Neurosurgery, Kagoshima University School of Medicine
4Department of Neurosurgery, Hyogo College of Medicine
キーワード:
brain check
,
asymptomatic brain tumor
,
meningioma
,
pituitary tumor
,
incidentaloma
Keyword:
brain check
,
asymptomatic brain tumor
,
meningioma
,
pituitary tumor
,
incidentaloma
pp.29-32
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100181
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はじめに
脳の健康診断(通称:脳ドック)において腫瘍が発見されることは稀である。未破裂脳動脈瘤や無症候性脳梗塞と比べると,脳腫瘍は脳ドックの分野では‘orphan disease’とも言える。しかし,腫瘍の場合は継時的に成長していく可能性があり,発見・診断時点で治療の必要性の判断が求められる。悪性腫瘍が疑われる場合は別として,無症候性の良性腫瘍の場合はその自然史が判明しないと治療の適応が決められない。しかし,MRIの一般普及後いまだ10数年であり,疾患の頻度が低いこともあって大規模な自然史研究の成果は極めて乏しい。
今回のガイドラインでは初めて「脳腫瘍および腫瘍様病変」がとりあげられた。しかし,上記のような理由でエビデンスに基づいた確たる指針は打ち出し難いのが現状である。そのため日常臨床上,比較的常識的と思われる内容となっている(表1)。
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