Japanese
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特集 脳卒中の回復期医療と在宅医療
2.脳卒中患者の回復期リハビリテーション
Rehabilitation at Recovery Process for Stroke Patients
中村 俊介
1
,
栗原 正紀
1
,
山﨑 正博
2
,
高橋 潔
3
,
河野 威
4
Shunsuke Nakamura
1
,
Masaki Kurihara
1
,
Masahiro Yamasaki
2
,
Kiyoshi Takahashi
3
,
Takeshi Kono
4
1近森リハビリテーション病院リハビリテーション科
2近森リハビリテーション病院神経内科
3近森リハビリテーション病院脳神経外科
4高知赤十字病院脳神経外科
1Department of Rehabilitation, Chikamori Rehabilitation Hospital
2Department of Neurology, Chikamori Rehabilitation Hospital
3Department of Neurosurgery, Chikamori Rehabilitation Hospital
4Department of Neurosurgery, Kochi Red Cross Hospital
キーワード:
stroke
,
rehabilitation
,
recovery process
,
corroboration
Keyword:
stroke
,
rehabilitation
,
recovery process
,
corroboration
pp.553-559
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100051
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はじめに
脳卒中は現在も日本における3大死因の1つであり1),リハビリテーション(以下リハ)医療の対象として最も頻度の高い疾患である。寝たきりになる原因の約30%が脳卒中によるものであり,また後遺障害をもつ患者数は約170万人と推計されている2)。
脳卒中診療においては予防が最も重要となる。しかし,脳卒中を発症した場合には専門病院への迅速な救急搬送と適切な救命救急治療・症状増悪の防止が行われるとともに,治療と並行した廃用症候群や合併症の予防,早期離床を目的とした早期リハ,さらに障害に対する集中的なリハサービスの継続が必要となる。
近年,脳卒中診療においては,早期診断技術(MR angiographyや拡散強調画像など)および超急性期治療(血管内治療や血栓溶解療法など)が進歩し,stroke unit(またはstroke care unit)やクリニカルパスの導入,治療ガイドラインの策定など,効率的で質の高い医療の提供に向けて種々の工夫がなされるようになってきた。また,リハにおいては,急性期,回復期,維持期と的確な時期に適切なサービスが継続的に提供されることが重要であり,継続的で密な脳卒中医療を展開するために各病期におけるチーム医療の確立および強固な連携の構築が必須となっている。
今回,急性期を担う病院との連携の確立により,脳卒中患者の転帰を中心とした調査を行い,脳卒中診療における回復期リハの役割や問題点を検討した。
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