Japanese
English
短報
電気けいれん療法が著効したせん妄の1例
Dose Electroconvulsive Therapy Have Potent Efficacy on Antidepressants-induced Delirium? : A case study
北村 秀明
1
Hideaki KITAMURA
1
1国立療養所犀潟病院精神科
1Department of Psychiatry, National Saigata Hospital
キーワード:
Depression
,
Antidepressants induced delirium
,
Electroconvulsive therapy
,
ECT
,
Basal ganglia calcification
Keyword:
Depression
,
Antidepressants induced delirium
,
Electroconvulsive therapy
,
ECT
,
Basal ganglia calcification
pp.871-873
発行日 1999年8月15日
Published Date 1999/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904825
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抗うつ薬と比較して電気けいれん療法(以下ECT)には,効果発現が早く,抗うつ薬に対する反応が不十分な一部の難治性うつ病に有効であり,循環器系へ影響が少ない,といった特徴があり,うつ病治療においてはなお重要な治療法の1つといえる。一方,躁病,悪性症候群,カタトニア,パーキンソニズムなど,単極性うつ病以外の精神神経障害に対しても,ECTは有効であるとする研究が蓄積している2)。
本研究は,たった1回のECTが,抗うつ薬によるせん妄を合併した単極性うつ病患者の抑うつ症状と意識障害の両方を速やかに改善したことを報告するものである。ECTにはその施行後に発生するもうろう状態などの副作用がある一方,せん妄に対する即効作用が報告されている5,6,8,9)。筆者が知るかぎり同様の症例はかつて報告されたことがなく,うつ病とせん妄の病態生理,ECTの作用機序の理解に新たな視座を与えるものと考えた。
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