動き
「第21回日本神経心理学会総会」印象記
三村 將
1
1東京歯科大学市川総合病院精神神経科
pp.105
発行日 1998年1月15日
Published Date 1998/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904478
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第21回日本神経心理学会総会は,東京女子医科大学神経内科の岩田誠教授の会長のもとで,1997年9月25,26日に東京シェーンバッハ・サボー(砂防会館)にて開催された。あいにくの雨まじりの天候ではあったが,多数の参会者が集い,この領域への近年の関心の高さがうかがわれた。
本学会では,新しい試みとして,一般人も参加することのできる公開シンポジウムが2日目の午後に開かれた。「神経心理学の新しい道しるべ」と題するこの公開シンポジウムでは,3つの特別講演とワークショップが行われた。特別講演は「神経機能画像法の進歩」と題され,高次神経機能の脳基盤を探る最新の手法について,第一線の研究者3人による最先端の知見が紹介された。Jonathan Cohen氏(カーネギーメロン大)は機能的MRIに関して“Functional MRI studies ofthe role of prefrontal cortex in working memory”と題する講演で,ワーキングメモリーの脳基盤としての前頭前野の働きについて概説し,Ritta Salmelin氏(ヘルシンキ工科大)は“MEGstudies of higher cognitive function”と題して,脳磁図を用いて種々の認知機能の局在を検討する方法の原理と利点について解説した。さらに,小泉英明氏(日立製作所中央研究所)は「新しい無侵襲高次脳機能計測法」と題して,PETやfunctional MRIに次ぐ新たな神経機能画像法として光トポグラフィーを紹介し,その特徴や臨床応用の有用性について報告した。
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