Japanese
English
研究と報告
残遺型精神分裂病者の行動待機時間
Wating Time in Residual Type of Schizophrenics
森 千鶴
1
,
平 正文
2
,
熊倉 耕次
2
,
佐々木 日出男
3
Chizuru MORI
1
,
Masafumi TAIRA
2
,
Koji KUMAKURA
2
,
Hideo SASAKI
3
1山梨医科大学医学部看護学科
2東京都立松沢病院
3海上寮療養所
1Yamanashi Medical University, School of Nursing
2Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital
3Kaijoryo Hospital
キーワード:
Waiting time
,
Time estimation
,
Residual type of schizophrenic
,
Time perception
Keyword:
Waiting time
,
Time estimation
,
Residual type of schizophrenic
,
Time perception
pp.245-250
発行日 1997年3月15日
Published Date 1997/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904285
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【抄録】残遺型精神分裂病者の時間認知の偏奇については様々な研究がなされている。本研究では,時間認知の偏奇が日常の生活行動にどのように影響を及ぼしているかを明らかにし,さらに援助方法について再考することを目的とした。対象は残遺型精神分裂病者20名,陽性症状のある精神分裂病者20名,アルコール依存症者10名,精神分裂病者以外の長期入院患者7名である。全対象者の24時間の行動を連続した2週間観察し,行動時間を1日の中で累計し,それを対象者ごとに平均し,分析した。その結果,残遺型精神分裂病者は1日の行動の中で行動前待機時間が長いことが明らかになった。この行動前待機時間が長いという結果は,時間認知が偏奇していることも影響していると考えられた。今後,精神分裂病者の生活指導を行う際には,患者をせかせるのではなく,ゆとりを持ち,選択の幅を設けるような方法を考案する必要性が示唆された。
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