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私のカルテから
Thioproperazineにより急速な改善をみた解離性同一性障害の1例
One Case of Dissociative Identity Disorder Improved Rapidly with Extrapyramidal Symptom of Thioproperazine
山田 幸彦
1
,
山田 貴子
2
Yukihiko YAMADA
1
,
Takako YAMADA
2
1朝霞病院
2順天堂大学精神医学教室
1Asaka Hospital
2Department of Psychiatry, Juntendo University
pp.1006-1007
発行日 1996年9月15日
Published Date 1996/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904179
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- Abstract 文献概要
近年,主としてジャーナリスティックな次元でではあるが,話題になることの多い多重人格障害(Multiple Personality Disorder:以下MPDと略,DSM-Ⅳでは解離性同一性障害:Dissociative Identity Disorder)の病態は,古くから報告されていたものである。ただし,その報告例数は国の内外を問わず極めて少なく2,4,5),日常の臨床の場ではほとんど出会うことのないものであり,その病態自体の複雑さと相まって,一般にその治療は容易ではないものとされてきた。今回,我々は,劇的な人格交代を呈した1例の,18日余に及んだ解離性同一性障害の病態を,thioproperazine(以下TPPZと略)投与により3日間で改善することができたので,その病態,経過などにつき若干の考察を加えて報告する。
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