Japanese
English
短報
塩酸セルトラリンの投与により口腔ジスキネジアが出現した老年期うつ病の1例
A Case of Sertraline Induced Oral Dyskinesia with Senile Depression
藤原 晶子
1
,
都甲 崇
1
,
山本 かおり
1
,
六本木 知秀
1
,
杉浦 寛奈
1
,
杉山 直也
1
,
平安 良雄
1
Akiko FUJIWARA
1
,
Takashi TOGO
1
,
Kaori YAMAMOTO
1
,
Tomohide ROPPONGI
1
,
Kannna SUGIURA
1
,
Naoya SUGIYAMA
1
,
Yoshio HIRAYASU
1
1横浜市立大学医学部精神医学教室
1Department of Psychiatry, Yokohama City University School of Medicine, Yokohama, Japan
キーワード:
Sertraline
,
Oral dyskinesia
,
Senile depression
Keyword:
Sertraline
,
Oral dyskinesia
,
Senile depression
pp.1259-1262
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101123
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はじめに
塩酸セルトラリン(以下,セルトラリン)は,1990年に英国で初めて承認され,その後米国など世界100か国以上で使用されているSelective Serotonin Reuptake Inhibitor(SSRI)である。本邦では2006年にうつ病・うつ状態ならびにパニック障害の治療薬として承認された。セルトラリンは,CYP2D6,2C19,2C9,2B6,3A4などで代謝される一方で,薬物代謝酵素の阻害活性が低いことから,薬物相互作用が比較的少ない12)。また,蛋白結合率が98%と高く,投与量と血中濃度が線形を示すことも特徴である1)。三環系抗うつ薬との比較では,他のSSRIと同様に鎮静作用,抗コリン作用などの副作用出現率が低いが,これまでに報告されている副作用としては,他のSSRIと同様に,悪心,傾眠,口渇感,頭痛,下痢,めまい,不眠,性機能障害などが挙げられる6,13)。今回我々は,セルトラリンの投与によって口唇ジスキネジアが出現したと考えられる老年期うつ病の1例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。
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