Japanese
English
研究と報告
自己視線恐怖の1例にみられた“ふれることの過剰性”
A Case of Fear of Eye-to-eye Confrontation and Psychopathological Structure of Touch
柴山 雅俊
1
Masatoshi SHIBAYAMA
1
1虎の門病院分院精神科
1Department of Psychiatry, Toranomon Hospital
キーワード:
Taijinkyofu
,
Fear of eye-to-eye confrontation
,
Touch
,
Fear of side-glancing
Keyword:
Taijinkyofu
,
Fear of eye-to-eye confrontation
,
Touch
,
Fear of side-glancing
pp.1273-1279
発行日 1995年12月15日
Published Date 1995/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903998
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【抄録】ふれることにおいて,自己は他者のふれる動きにふれるとともに,他者は自己のふれる動きにふれる。このようなふれることの構造に注目し,その観点から自己視線恐怖の病態構造について考察した。症例は,衣服をゆるめて緊張を解くと自他の視線が気にならなくなると訴える自己視線恐怖の1例である。そこでは「ふれることの過剰性」を持った自他の意識が,〈自らの異様な身体〉によって妄想的に根拠づけられることが特徴的であった。〈自らの異様な身体〉に対して患者がとる構えを隠蔽的防衛と離断的防衛に分けて論じ,さらに自己身体,衣服,装飾品,異性,他者視線,他者といった対象を“自分を包むもの”としてとらえ,その意義について論じた。
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