Japanese
English
研究と報告
観念的防衛の特性からみた境界例と分裂病
Borderline Case and Schizophrenia from the Viewpoint of Characteristic Intellectual Defense
森島 章仁
1
Akihito MORISHIMA
1
1信州大学医学部精神医学教室
1Department of Psychiatry, Shinshu University School of Medicine
キーワード:
Schizophrenia
,
Borderline case
,
Intellectual defense
,
Psychopathology
Keyword:
Schizophrenia
,
Borderline case
,
Intellectual defense
,
Psychopathology
pp.1265-1271
発行日 1995年12月15日
Published Date 1995/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903997
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【抄録】知性化による防衛が働いている症例では,しばしば分裂病か否かの診断が困難なことがある。筆者は,知的防衛の強い2症例を前医から引き継ぎ,担当した。どちらにも異常体験が認められ,症候学的には分裂病を疑いうる症例であった。1例はこれまで分裂病と診断されており,もう1例は,分裂病を疑いながらも,確定診断は保留にされていた。この2症例において,知的防衛の特性を把握していくことにより,両者の存在様態の違いが明瞭になっていくように思われた。その結果,1例目は境界例,2例目は分裂病と考えるのが妥当であった。2症例に共通した防衛を観念的防衛ととらえ,その特性と存在様態の相違について考察を加えた。
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