Japanese
English
研究と報告
電気けいれん療法により劇的な改善を認めた悪性症候群の1例
A Case of Neuroleptic Malignant Syndrome Improved by Electroconvulsive Therapy
西嶋 康一
1
,
親富祖 勝己
1
,
島田 達洋
1
,
星野 仁
1
,
石黒 健夫
1
Koichi NISHIJIMA
1
,
Katsuki OYAFUSO
1
,
Tatsuhiro SHIMADA
1
,
Hitoshi HOSHINO
1
,
Takeo ISHIGURO
1
1自治医科大学精神科
1Department of Psychiatry, Jichi Medical School
キーワード:
Neuroleptic malignant syndrome
,
Electroconvulsive therapy
,
Homovanillic acid
,
5-hydroxyindoleacetic acid
Keyword:
Neuroleptic malignant syndrome
,
Electroconvulsive therapy
,
Homovanillic acid
,
5-hydroxyindoleacetic acid
pp.1281-1287
発行日 1995年12月15日
Published Date 1995/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903999
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
【抄録】症例は,59歳のうつ病の女性で,入院中2回の悪性症候群(NMS)を発症した。1回目のNMSは,スルピリドの副作用である錐体外路症状の治療のため投与されていたアマンタジンが中止された後に発症した。アマンタジンの再投与,ダントロレン,プロモクリプチンの投与により症状は改善したが,ダントロレンによると思われる急性膵炎,肝炎を認めた。2回目のNMSはその5か月後に発症した。その原因として,トリミプラミンやセチプチリンの投与,アマンタジンやクロナゼパムの減量などが考えられた。この時の治療には,ダントロレンが使用できないこと,精神症状が悪化していることなどのため,無けいれん性の電気けいれん療法(ECT)が行われた。その効果は劇的で,1回目のECTで著明な振戦はほとんど消失し,4回目のECT後までにNMSの症状はほぼ消失した。今回の経験から,症例によっては,ECTもNMSに対して考慮されるべき治療法であることが示唆された。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.