Japanese
English
特集 外来精神科医療の現状と課題
[精神科専門外来の実際と問題点]
外国人精神障害者の外来診療の問題点—1%へのサービス
Service for One Percent Population: issues on outpatient treatment for the ethnic minorities with mental disorder
野田 文隆
1
Fumitaka NODA
1
1東京武蔵野病院
1Department of Psychiatry, Tokyo Musashino Hospital
キーワード:
Ethnic minority
,
Outpatient treatment
,
Mental disorder
,
Specialty clinic
,
Mainstream care
Keyword:
Ethnic minority
,
Outpatient treatment
,
Mental disorder
,
Specialty clinic
,
Mainstream care
pp.847-849
発行日 1995年8月15日
Published Date 1995/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903932
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先頃,日本に在住する外国籍の人の割合が1%を超えた。それに応じて精神科外来を訪れる外国人の数も増えているはずである。(はずであるというのは外国人受診者数に関する全国を縦断するような調査はなく,アンケート調査など7,10)においてうかがい知るのみであるからである)。しかし,その外来サービスがどう運営されているかに関しては,外国人を診ることに比較的積極的な医療機関,精神保健専門家の報告を除いてはつぶさには見当がつかないのが実情である。ここでいう外来サービスとは,例えば,そもそも病院・クリニックが外国人を受け入れることに前向きか否か,という問題に始まり,通訳はどう調達しているのか,その支払いは,医療費などに関するケースワークはどうしているのか,入院が必要な時の告知は,さらに一歩踏み込んで,どのように外来受診を継続させているのか,一般外来で診るのか特殊外来を設置するのか,精神療法はどのように行うのかなど,多岐にわたるものである。そもそも圧倒的なマイノリティ(少数派)である外国人の,そのまたマイノリティである精神に障害を持った人々に十全な外来サービスが施されているとは考えがたい。本稿では,「1%へのサービス」としていまだ揺籃期にある外国人精神障害者への外来診療の問題点を,受診に至るまでの問題と受診そのものの問題に分けて論じてみたい。
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